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16.11.25 研修会「移住・定住あれこれ」を開催しました!

「地域リーダー養成講座 及び 集落間の学び合い研修会 ~移住・定住あれこれ~」を開催しました!
多くの方々にご参加いただき、ありがとうございました(^^)

■日時  平成28年11月25日(金) 13時00分~16時00分
■場所  高梁市文化交流館 中ホール(高梁市原田北町1230-1)
■主催  岡山県中山間地域協働支援センター、岡山県
■共催  高梁市

■当日のスケジュール
 ○講演「地元に根付いていく移住・定住の進め方~田園回帰1%戦略~」
  ・講師:藤山浩氏(島根県中山間地域研究センター 研究統括監、島根県立大学連携大学院 教授)
 ○先進的な事例の発表
  ・「高梁市の取り組み」
   発表者:高梁市住もうよ高梁推進課 田舎暮らし推進係 係長 三村雄一氏
  ・「備中宇治彩りの山里~宇治地域の取組みについて~」
   発表者:宇治地域まちづくり推進委員会 中曽まゆみ氏
  ・「松原地域まちづくり推進委員会 定住対策の取り組み」
   発表者:百姓のわざ伝承グループ 代表 藤田泉氏
 ○東京、大阪での移住相談の現場から
  ・おかやま晴れの国ぐらしIJUアドバイザー(東京) 島倉久美子氏
  ・おかやま晴れの国ぐらしIJUアドバイザー(大阪) 佐藤ひろみ氏
  ・進行:岡山県中山間地域協働支援センター センター長 德田恭子

■講演:藤山浩氏「地元に根付いていく移住・定住の進め方」
午前中、総務大臣賞を受賞された宇治地域を訪問。駆け足であったが、また来たくなる地域と藤山氏ご自身が撮影した写真で紹介していただきました。
田園回帰1%戦略は何か、について現在の人口データを入力し、30年後どのような人口構造になるか分析していただき、そのために移住者をどれくらい呼び込めばよいのか数値で分かりやすくお話していただきました!

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田園回帰とは、国土全体をゆったりと暮らすこと。長続きする暮らし、そういう事が今求められている。
もうこれ以上自分の子供たちも都会、都会へと追い出す時代ではない。

田舎に住むことは限界的な厳しい状況はあるが、新しい暮らしをそこで始めるフロンティアにもなっている。
それぞれ地元で具体的に何人、何組取り戻したら、地域をちゃんと守れるのだろうという目標を持つことが求められる。

―地域の人口データを入力し、将来の人口分析を行うプログラムを紹介。―

ほとんどの地域が年間1組の移住者がいればよいことが分かってくる。
1組ずつで間に合う訳がないと思い込んでいるが、ところが毎年ちゃんと地道に1組ずつ移住者を呼び込んでいるほとんどの地域が、かなり改善、安定が見えてくる。

そして、なぜうちの地域は逆にダメなのかな、と思い学び合い、切磋琢磨していくことが大切。

200人につき1人この高梁市全体としては、各世代25組ずつ、だいたい200人弱呼び込むことができれば、人口は3万人台になる。
ただし、定住人口の上に出生率も重要。

私の1%戦略で、なぜ1%なのかというと、1%でちゃんと安定するというのもある。
じわ~っとじっくりゆっくりやって欲しい。それが1%戦略の重要なこと。

大切なのは、みんなで勇気をもって取り組む為の具体的な目標の共有。
そして、未来像の共有。
こういった取り組みが移住・定住の一番の礎になる。

☆移住・定住を受け入れる体制を作る

行政と自治組織だとお金が増えていかないので、3番目の仕組みとして、地域で出資してNPOやLLPといった会社、組織を立ち上げる。
地域ぐるみで分野や観光を繋げようとしたら、拠点の仕組み作りが大切。
バラバラに作るのではなく、できるだけ一カ所に集める。

次に、地元の自分たちで使っているお金に目を向けてほしい。

―杵築市、俵山温泉、森の幼稚園などの事例を紹介―

移住・定住のトラブルの8割起こることを回避するためには、誰でもいいから来てくれ。ではない。
我々はこういう集落です。こういうことを大事にしてきた。だから、ここで一緒に暮らしませんか?
鉄則は、選ばない地域は選ばれない。

急がなくていい、1%ずつ、1組ずつ、ちょっとずつ入ればいい。
地域としても移住者側としても焦らなくていい。

田舎に住むのは手間がかかることばかり。
でもよく考えると、手間をかけた者にしか伝わらない。
こうやって頑張った人のことは、みんな覚えている。
そうした記憶が積み重なることだなと思う。

人口とは、抽象的な数ではない。
地元に根ざす人生の数のはずなので、数合わせではなく、しっかり紡がれるように、そうした地域社会をつくらなければならない。

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■事例発表
○「高梁市の取り組み」
平成22年の国勢調査では、人口減少率ワースト1だったが、平成27年ではワースト5位と改善した。
定住対策室(現住もうよ高梁推進課)は、移住相談、ワンストップの窓口があることが大きい。
行政だけでの取り組みでは限界があるので、地域ぐるみで、移住者の受入れ体制を整えていく取り組みを進めている。
移住者に高梁を選んだ理由を聞くと、1番に自然環境が豊か、災害が少ない、子育て環境がいい、などだが、しかし最終的には、地域の方や市の担当者が親切に対応したことが決め手となることが多い。
昨年から移住コンシェルジュという専門の移住相談、現地案内を置き、常時、相談や現地案内が可能な専門の相談員2名(地域おこし協力隊OB)が、地域の情報発信や移住後の相談も受けている。

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○「備中宇治彩りの山里~宇治地域の取組みについて~」
人口およそ632人、高齢化率53%、人口の約半数が65歳以上といった、少子高齢化が進んでいる地域で、公民館各種団体や町内会の代表者による「宇治地域まちづくり推進委員会」で地域づくりの取組みを行っている。
平成24年度から住民意識調査を実施し、その結果を集計・分析し、今後のまちづくりの方向性を検討した。
①アクションプランの作成
②生活が楽しくなるコンテンツ作りとして、みんなの居間プロジェクト
③町民が住みよい地域コミュニティづくりとして、安心安全防災プロジェクト
④若者を中心とした、みんなの基地プロジェクト
⑤移住者交流プロジェクト
今年2月には、初めての取組みとして「移住&全国雑煮サミットin宇治」と称し、宇治へ移住してこられた皆さんの出身地の雑煮を作り、試食会を行った。
現在15世帯34人の方が移住。「住むか暮らす会」は有志による移住支援団体だが、空き家の調査や紹介、空き家の片づけ、引っ越しの際のお手伝いなど、ボランティア支援を行っている。

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○「松原地域まちづくり推進委員会 定住対策の取り組み」
人口は752人で、世帯数は281世帯。
平成10年には、1,100人で、世帯数が380世帯。
小学生の数も半分以下になり、現在22人。
高齢化、少子化、過疎化に危機感を持ち、何とかしなければという思いで、まちづくり推進委員会、地域振興部づを作り、定住対策を進めている。
空き家の調査を行ったところ、かなりの数の空き家があるとわかった。
そこで、移住者の意見を聞き、松原町の良いところを紹介したり、どのような支援が受けれるかということをまとめたパンフレットを作成するなど、移住・定住促進に力を入れている。
5年間で5家族10人が移住。
地域おこし協力隊の鎌田隊員も着任し、去年の秋から古民家のリフォームを実施している。
今後はゲストハウスを開業予定。
空き家の持ち主に、昨年アンケート調査を行ったが「すぐには貸せない」、「検討したい」という声が多く、今後は住民の意識を変えていくことが重要だと思う。

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―鎌田隊員からの活動報告も行っていただきました!

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■東京、大阪での移住相談の現場から
東京近辺からの移住希望者や、大阪近辺からの移住希望者が岡山へ移住を決める理由や、受け入れ地域が考えるべきこと、すべきことについてインタビュー形式でお聞きしました!

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▽相談に来られる方の傾向は?

(大阪)岡山市、倉敷市といった都市への移住希望がみられるが、田舎暮らしを希望される方もいらっしゃる。就農希望者もいる。
(東京)岡山が人気が高いということで相談に来られる方も多い。また、安心安全を求める方が多い。

▽田舎暮らしの不安は?
(大阪)家と仕事。
(東京)家と仕事。受入れ体制の充実。

▽他県と比べたら
(大阪)先輩移住者が圧倒的に多いことは、すごく岡山県の強み。温暖であるとか、災害が少ないということ。
(東京)他県は漠然と相談に来ている方が多いようだが、岡山県は決め打ちで来られる方がとても多い。やはり安心、安全と温暖な気候、これがほとんどセットです。

▽移住者との関係づくり
(大阪)キーパーソンと繋げていただけること。あとはスピード感。
(東京)ここの地域に合う人と、合わない人の目利きみたいなものが必要。

「移住・定住あれこれ」と題し長時間にもかかわらず、多くの方々にご来場いただき、熱気あふれる会場となりました。
今後もおかやま元気!集落を始め、行政機関、企業、大学、NPO法人等、様々n主体がお互いの強みを生かすネットワークを構築し、中山間地域の課題に対応し、活性化の取り組みを充実していきたいと思います!!
お越しいただいた皆さま、ご協力いただきました皆さま、本当にありがとうございました(^^)

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